高卒と大卒は世界が違う?人間性の影響や関係ないという意見を考察

高卒と大卒は世界が違う?人間性の影響や関係ないという意見を考察

みなさんのなかには、高卒と大卒の違いについて考えている人たちもいると思います。学歴は、その人を物語る一面でしかありませんが、学びの記録として重視されるのは今も昔も変わりありません。しかし、具体的に何がどのように異なるのでしょうか?

この記事では、「高卒と大卒は世界が違うのか?」という疑問について考察しています。また、人間性の影響や「学歴なんて関係ない」という意見にも言及しているので、これから進路を考えている人たちは参考にしてみてください。

目次

高卒と大卒は世界が違う?

さて、高卒と大卒では、生きている世界が違うのでしょうか?

結論から言えば、高卒と大卒では扱われ方が異なるのは事実です。具体的に言えば、東大や京大などの旧帝大や早慶上智などの有名私大を卒業している場合、学歴によるアドバンテージは大きいので、人生に大きな違いが生じる可能性はあります。その意味では、「世界が違う」という解釈は成り立ちます。

けれども、Fラン大学と呼ばれるような、だれでも入学可能な地方の私大に通っている場合、高卒と大卒で生きている世界が極端に違うなんてことはありません。実際、地方においては就職先の水準もほとんど変わらないケースもよくあります。

なお、高卒と大卒の具体的な違いに関しては以下の表を参照してください。

高卒と大卒の具体的な違い

項目高卒大卒
就職先・職種地元密着の中小企業や現場職、技能職が多く、工場オペレーターや接客・販売スタッフ、事務職としての採用が一般的。大手企業や総合職、管理職候補としての採用が多く、専門職(エンジニア、コンサルタント、研究開発など)に就きやすい。
初任給・年収初任給は16万~18万円程度で、生涯賃金は約1.8億円と差がつきやすい。初任給は20万~22万円程度で、年収も高く、生涯賃金は約2.5億円以上が一般的。
昇進・キャリアパス昇進ペースは比較的ゆっくりで、現場リーダーやベテラン技能職としてキャリアアップすることが多い。管理職候補として採用されることが多く、早期に主任、課長、部長と昇進しやすい。
転職のしやすさ実務経験が評価されやすい営業職や技能職でのキャリアアップ転職は可能だが、選べる職種は限られがち。専門職やマネジメント職での転職がしやすく、職種の選択肢が広い。
社会的評価実務での実力が評価されやすいが、職種によっては昇進に限界が生じやすいケースも。学歴社会の影響で高評価を得やすく、信頼や管理職登用が早い傾向にある。
学び・研修機会短期の現場研修が中心で、資格取得支援があるが自己研鑽が求められる。新卒研修やキャリアアップ研修が手厚く、MBAや専門資格取得の支援が充実。
生活水準地元密着型企業が多く、生活コストが安定しやすいが、福利厚生は制限される場合もある。収入が安定しており、家族手当や住宅補助、育児支援など福利厚生が充実した企業が多い。
高卒と大卒の具体的な違いに関する表

上記の違いはあくまでも一般論に過ぎません。現実社会は複雑ですから大卒だからと言って必ずしも優遇されるわけではありませんし、高卒だから冷遇されるということもありません。

高卒と大卒で人間性に違いは生じるのか?

また、高卒と大卒で人間性に違いは生じるのでしょうか?

人間性を「人格」として捉えた場合、高卒と大卒で優劣があるわけではありません。なぜなら、人としてのあり方は、その人の生き方が大きく影響しており、学歴とは必ずしも密接に関係しているとは言えないからです。

例えば、高卒で家族のために一生懸命働いている人がいたとすれば、その人は誰が何と言おうが立派な人です。逆に、有名な大学を出ていたとしても、他人を見下すような人の人間性は劣っていると言わざるを得ません。

もちろん、大学で勉強した分だけ考え方が豊かな人もいます。あるいは、仕事のこなし方に差はあるかもしれません。しかし、だからと言って、大卒者が人として尊敬に値するような振る舞い方をするとは限らないのです。業務をスムーズにこなすことができたからといって、みんなから好かれるとも言えません。

もし、学歴が人間性を左右するなんて単純な世界であるならば、教育ですべてを解決できてしまいます。世の中はそこまで単純ではないのです。頭ばかりを鍛えても、メンタルが弱い人もいます。逆に、頭は悪くても心が豊かで行動力のある人もいます。その人の生き方や性格次第なのです。

学歴は関係ないという意見は本当なのか?

高卒と大卒の評価に関する議論を実施する際に、「学歴は関係ない」と述べる人が一定数います。果たして、本当なのでしょうか?

残念ながら、学歴が選択肢に大きく影響するケースは世の中に存在します。すなわち、目標によっては、「学歴が関係する」ことは多々あるわけです。例えば、外資系のコンサルティングファームに就職したいならば、高卒は類稀なる才能を証明できない限りは「書類落ち」です。

「学歴なんて関係ない」という言葉は一見すると綺麗な言葉に思えますが、「足切り」という考え方が存在する以上、高卒だから選択できない進路もあるのは事実なのです。

とはいえ、高卒が理由で選択できない未来があるならば、奨学金を借りて大学に行けばよいだけです。高校卒業のタイミングで必ずしも進学しなければいけないわけでもありません。家庭の事情ですぐには行けない場合、まずは目の前にある問題を解決してから大学に行くのも選択肢のひとつなのです。

人生の選択肢に影響する

高卒と大卒では人生の選択肢に影響するのは事実です。繰り返しになりますが、大学を卒業していないと面接すら受けられない企業も存在するのです。その意味では、最終学歴によって世界が異なると感じるのも無理はありません。

しかし、それは人間性とは全く別な話です。人としての素晴らしさは勉強の出来不出来なんかでは決まりません。偏差値はあくまでも課題をこなす力を測定する目安でしかないのです。東大出身だから人として優しいなんてことはありえません。

むしろ、内面を学歴で評価するのは単なる差別です。その偏見を持ってしまう時点で、知性が優れているとは言えないわけですが、学歴による差別は現実的に存在しています。当事者の自己肯定と自己否定と複雑に絡みついていることから、客観的な問題というよりも学歴にすがらないといけない人もいるんです。

また、大学に行きたかったら、後から行けばよいんです。ストレートに進学する必要はありません。むしろ、自分にとって本当に勉強したいことが見つかってから進学したほうが賢明な学生生活を過ごすことができます。周りの当たり前に流されることなく、自分にとって本当に必要な選択を行いましょう。

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この記事を書いた人

HTT編集部は幼児教育、学校教育、大学教育などの教育を専門的に扱い、読者の皆様に記事形式で情報を伝達するプロフェッショナルです。教育分野に知見のあるライター、編集者、研究者、校閲者から構成されたチームで記事を制作しています。

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